リフォームって必要?
既存(中古)住宅の購入にあたって
中古物件の売買において、
築10年以内の物件で30%以上、
築11年超の物件では70%以上
でリフォームが行われています。
■新築以外はすべて中古(既存住宅)
物件を探すときに考えるのが「新築」か「中古」。
新築はそのとおり新品です。
では中古はどうでしょうか。一旦人の手に渡れば、一部*を除いて新築以外はすべて中古物件となります。
築30年の物件も、築10年の物件も、築1年の物件も中古物件です。更に、新築を買ったものの引越しまでに事情が変わり、一度も住まずに売却することになってもそれは中古物件となります。
*新築されてから完成後1年経過した物件は未入居物件となります。
■中古物件と言ってもそのコンディションは様々
一度人の手に渡ったものはすべて中古です。
中古物件を探すときに「築年数」は一つの目安となりますが、”築浅だからきれい”、”古いから汚い”とは一概には言えません。
前の居住者がどの様な使い方をしていたかによって、その建物コンディションは様々です。
築年数が経過していても日々小まめに掃除をして大事に使われてきた家は、30年以上経過していてもきれいです。
築年数が浅くてもペットの汚れや匂い、結露によるカビなど状態が良くないものもあります。
したがって、中古物件では現地でコンディションを確認して、入居するにあたってどれくらいのリフォームが必要になるかを見定めることが重要です。
【事例1】 築半年
新築時購入者が半年居住して売却。室内の状態はほぼ新品と変わりませんでした。
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リフォームなし ハウスクリーニングをしてそのまま入居 |
【事例2】 築7年
猫を飼っていましたがとてもきれいに住まわれており、ウォシュレットのみ交換しました。
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【事例3】 築7年
設備・仕様に古さは感じられないものの家全体的に汚れやカビの発生など劣化があり、全面クロスの貼替およびユニットバスとトイレを交換しました。
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【事例4】 築20年
大きな故障箇所はなかったため、全体的な内装(床・壁・天井)およびガスコンロ・レンジフード・キッチン水栓など部分に交換をしました。
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【事例5】 築22年
全体的に汚損、破損個所があるため、全面リフォームしました。
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【事例6】 築34年
過去に一部リフォーム履歴があるようでしたが、きれいに住まわれており、基本的にはそのままで故障箇所のみ修理しました。
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故障箇所のみ修理して、そのまま入居 |
■中古物件でリフォームをする人はどれくらいいる?
では中古物件においてリフォームはどれくらい行われているのでしょうか。
中古物件の売買におけるリフォームは以下の3パターンです。
① 売主(売る人)がリフォームしてから売る
② 買主(買う人)が買った後、入居前にリフォームする
③ 売主がリフォームした物件を買って、さらに買主が追加でリフォームする
この①~③を合計すると、一戸建てとマンション共に、
築10年以内の物件で30%以上
築11年超の物件で70%以上
が売買するときに何かしらのリフォームを行っています。
○既存(中古)戸建住宅の場合
○既存(中古)マンションの場合
※令和3年度住宅市場動向調査報告書/国土交通省 住宅局より
売主が先リフォームをしてきれいな状態にしてから売りに出した場合、内見にきた方へよい印象を与えることができ、成約への期待が高まります。
しかし大掛かりにリフォームする場合は要注意です。全体がきれいになって気に入ってもらえると思いきや、設備の仕様やクロスの柄・デザインなど次に住む人の好みに合わなかった場合は「リフォームしていなくていいからその分安い方がよかった」と言われてしまう場合があります。売る人の好みではなく、次に住む人のことを想定したプランニングが必要です。
そして、売主は物件を売る前にリフォームを行う訳ですから、その工事費用は手持ち資金からの捻出が必要となります。出費は極力抑えたいと思いますので、売るためにどこまでのリフォームが必要かの判断がポイントとなります。
また、住みながら売却する場合は、先にリフォームをすることはできません。中古物件の場合は現状でのお引渡しが基本となりますが、「退去後のクロスの貼替は売主負担とする」など買主様へメリットとなる条件を付けることも可能です。
いずれにしても、後からリフォームをする前提で物件を購入してもらう場合は、リフォーム後にはこれだけ魅力ある住まいになることをお客さんがイメージできる提案、説明、アドバイスができる不動産営業担当者であることが必要です。